広島市向洋にある古民家をリノベーションしたゲストハウス
広島に来てすぐ、サックスの山内桂氏のツアーをアテンドした際にライブに来てださった黒田敬子氏は、過去にも斉藤徹氏(故人)らミュージシャンを広島に呼ぶなどかなりの音楽通でいらっしゃいます。そんな黒田さんがご実家の古民家を改装したゲストハウスを開いておられるとお伺いしていたので一度拝見したいな〜と思っていました。
ゲストハウス灘はその名の通り基本宿泊施設なので、泊まらないとなかなか中に入るチャンスはなさそうですが、ある秋の日に「クラヴィコード」という鍵盤楽器によるコンサートが行われると聞き、中に入れるチャンス到来!
広島駅から近いながら山によって原爆から守られたエリア
立地する広島市の向洋という場所は楽々園からそこそこありそうですが、八丁堀から乗れるバス(21系統)で最寄りのバス停にアプローチできそうだったのでそちらからアクセス。広島駅を通り過ぎてイオンモール府中の脇を通り過ぎるとマツダの工場群を通過。なんだか普段見慣れぬ風景の中、最寄りのバス停から「光洋寺」という看板に沿って狭い路地を歩いて行きます。古い街並みと迷路のような路地に東京の谷中界隈を少し思い出しつつ、そういえば広島にはこのような街並みはないなぁ感じておりました。なんでもこのエリアは黄金山や比治山といった小高い山によって原爆の爆風の被害を免れたことで戦前の佇まいを残すエリアとのこと。その後も開発されることなくこの雰囲気を今に保っている何か「気配」のする一画にゲストハウス灘が現れました。

灘に到着すると大きな梁が味わい深い土間風板の間〜リビングの続き空間に既に大勢の観客が詰めかけておられ、クラヴィコードという実に清楚なピアノのような楽器が。こちらを所持され今回演奏してくださった末永雅子氏は広島大学や広島文化学園大学の教授でいらっしゃるとのこと。クラヴィコードという珍しい楽器について解説を交えつつ、このユニークな楽器の特徴を味わうことができる選曲による演奏を堪能させていただきました。(ちなみに今回のコンサートは入場無料!)
これがクラヴィコード

こちらの楽器は日本で制作されたもので製造される方も限られており、手元に届くまでにかなりの年数がかかったとのことです。見た目はピアノに近いですが音の出し方はギターに近いそうで音色も何処かギター風。「禁じられた遊び」もひいてくださいました。
ゲストハウスのお部屋部分も見学させてもらいました

終演後、ゲストハウスの2階部分を見学させてもらいました。黒田さんによるとこの2階部分は元々あった母家に後からお客様用として建て増しされたそうで、かつてはこちらで結婚披露宴などが行われていたとのこと。まさに「ゲストハウス」。欄干のついた廊下が趣ありますね〜。

2階には広い和室と板の間に改装されたベッドルームがあり和モダンな雰囲気を醸し出しております。一階廊下から臨む和庭園も広く先には茶室までありました。茶室もレンタル利用可能とのことですのでさまざまな新旧文化にまつわる催しが企画できそうなポテンシャルだらけのゲストハウス灘さんです。

