大分国東・伊美という特異なアートの鄙/白昼夢港町の舞踏パフォーマンス@イミテラス:後編

BUTOH

はじめてきた大分国東半島のとったんにある伊美という港町は「白昼夢」そのものの鄙びた場所で(→前編はこちら)こんな場所で果たして舞踏を観たいと思う人がいるのであろうかと開始直前までかなり不安でしたが、はっきりいって私は国東という場所のアート指数の高さを見くびって(?)おりました。すみませんでした!

時間が迫り私はギャラリーの外から中に入っていくため待機で外にいたのですが、すると…、この白昼夢の港町の人っ子一人いなかった通りにどこから湧いて出てきたのか人々が集い初めてちょっとした人だかりができはじめたのです。人々の関心はもちろんこのギャラリーで行われる舞踏パフォーマンスに間違いないのです。その人たちを驚かすように裏の通りからマークの作品を頭に被ってそろ〜っと出てきたときの感触は私のおどり人生の中でも忘れられない快感だったと思います。

ギャラリーの内外に人が集ってくださってのパフォーマンス。マークは私のおどる姿を描いています。

そして個展会場に入りMaster Wotazumiの法竹の即興演奏を伴って30分以上はおどりましたがその間もきちんとみてくださる方が多く自分でも驚きました。おそらくこの方達は「国見町ギャラリーめぐり」というイベントをみにきたのであって決して私の踊りをみにきたわけではないと思うのですが、普通はそういう方はせいぜい5分10分で移動するのがまぁ当たり前だと思うのです。おそるべし国東、おそるべし伊美。みてくださる方々の熱量を自分のものにしてしまうのがおどりのいいところで、公演は大盛況(自分で言うくらい)に終わりました。終わった後も会場を離れずにいた方々とお話できたりと舞踏への興味をこんなに感じる場所は滅多にないですね。

そして本番の日の夜はマークの奥さんのゆうこさんとその友達がみにきてくれて(ありがたい地元コネクション)皆で一緒に再び中野さんちでパーティーにあずかりました。サーブしてくれる全ての料理が美味しすぎて感動。。。こんなによくしていただくとほんと、おどっててよかったなって思います。中野さんも元々は東京から移住されたとのことですが、それにしてもこの九州の突端の港町のこのアート指数の高さって一体なんだろうと考えておりました。ここは大分県の中でもさらにローカルサイドの国東で、さらに国東半島は大分の東に丸く突き出た大きな半島なのですが、その最も中心地から離れたところこの伊美があったりして…。

翌日、地元のケーブルテレビ(トンボTV)の取材を受けてマークの通訳をしたり自分のパフォーマンスのことを話したりしました。Master Wotazumiも感心するくらい私の通訳はまぁ、それなりにできていたようで、ほんの数年前までは全く英語を話せなかった私だけどついにここまできたか…と静かに感動しておりました。それから、改めてこの港町を散歩してみました。歩いて行けるところに岸壁があって海が見えてそこには相変わらず誰もいなかったけど、この鄙びた港町はこの海から世界にダイレクトに繋がれそうなそんなポテンシャルを感じる白昼夢な国東経験なのでした。

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