東京育ちの私ですが、大学に入学した年に実家は福岡の糸島郡というところに引っ越しておりました。エメラルドグリーンの海があるけど湘南のように人が多いわけじゃない、まぁ田舎です。それから20年の間、そこにはおしゃれなカフェやレストランがみるみる増えていき、野フェスのはしり「サンセットライブ」がどんどん有名になり、作家が移住して工房を構えたり、「糸島市」になって、今は全国区にも名前が通用する住みよいリゾート地となりました。そしてなんと「糸島芸農」なる国際芸術祭が開催されるほどのアート指数の高い地ともなっていたのです。「糸島芸農」のイベントに行って山のお稲荷様の祠の前で鍵盤ハーモニカを演奏されていたのを観たのが河合拓始さんとの初対面だったのではないかと思います。ピアニストの河合さんは即興演奏もよくされていて東京で長年活動をされてきたとのことですが、私とは東京時代にはほとんど接点がなかったので、真に初対面という感じだったかと思います。その河合さんは2012年、彼にとっては(河合さんは神戸出身)縁もゆかりもない糸島に移住されてしかもそのご自宅はRooin’の実家の隣の駅であったということに大変親近性を感じておりまして…しかも、ピアニストとしてはもちろんのこと、即興演奏家-improviser-としてもほとばしる「身体性」を発揮する素晴らしい音楽家です。
初めて私がお声がけして舞踏靑龍會のアトリエ公演にてデュオを演じて以来、河合さんとは何かにつけて共演させていただいたりしておりますが、河合さんとの関わりは単なる即興の音楽家とおどりの関わりという枠にとどまらず何かと多岐に渡るところがあって、様々な創造意欲を刺激してくださいます。彼が「糸島芸農」のなかでお稲荷さまに奉納する「イなりかぶら」というパフォーマンスがあるのですがそちらの方に参加させていただいたり、あるいは私がチラシづくりなどをしていることをちゃんと認識してくれてデザインの方で依頼してくださったり…。そして現在河合さんが長年綴られてこられた詩集「何か」シリーズをきちんと本にしたいということで、DTP化を進めております。とにかく常に創作を念頭に淡々とつくり続ける姿は、「創造の源」として私にモチベーションを与えてくれているのです。 →河合拓始さんWEBSITE
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クラシックのピアノ演奏から、即興演奏まで類稀なる感性と技術の持ち主である河合さんは、トイピアノの名手でもあります。河合さんのトイピアノによるアルバム。
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