ニューヨークでの生活の中で大体のことはできるようになったRoomin’でしたが、いまだによくわからないのが「チップ」です。それが文化と言われてしまえばそれは郷にいらば郷に従えで現地に倣うしかないのですが、アメリカではレストランで食事をする際、「チップ」を払うことが当たり前というよりほぼ義務化されております。本来チップとはサービスに対する評価といいますか満足度を示すものだから金額はその人が出したい分でいいんじゃないかと思うのですが、そのチップの金額は大体何%かというのが慣例的に決まっているのでもはや税金と考えた方がいいくらいですね。一般的にレストランだったら、目安は税金(tax)の額の2倍としていましたがだいたい 17~8%と結構な金額なのです。外食ではお店のランクにかかわらずほぼチップを払うのですが、セルフ方式のお店ではチップはいらない感じになっていて例えば日本でいうフードコートみたいな方式であれば払わなくてOKです。だからニューヨークで食事をする際はただ単に額面だけをみて予算を立てられないのでレストランに入って食事をする際は後でビビらないように覚悟を決めた方がいいでしょう。
タクシーに乗る際、そしてホテルに泊まる際にもチップは必須ですが、そのほか何かサービスをしてくれればチップが発生するのがこの資本主義の国・アメリカなのだな〜と思うことはよくあります。例えばニューヨークのJFK空港にたどり着いて当たり前のように荷物を積むカートを使おうものならそれの使用料は五ドルだったりするわけです。空港のカートが有料なんて日本ではちょっと考えられませんよね。もちろん誰かが荷物を運んでくれることを許容した時点でそれはその人にチップを支払うべきであるということを認識しなければなりません。そして空港から市内へと向かう乗合マイクロバス(シャトル)は比較的リーズナブルなのですが、もし、荷台に大きな荷物を置く際に少しでも手伝ってくれたならチップを支払うべきかと思います。(それはそんなに高くなくていいと思いますが)その証拠に、そのマイクロバスに乗り込むと車内の前方の一番目立つところに「Tips are greatly appreciated.」と掲げられているのです。(手書きではありません。きちんとしたサイネージです。)これは「チップは大いに大歓迎」という意味ですが、「Tips」つまり「(一つではなく)複数のチップ」が受動態で主語になっているところがすごく前のめりで、しかも「greatly」がくどさを増して本当にチップが欲しい感じが若干KYな雰囲気もあり、Odd(奇妙)感満載で私はこの文章が大好きです。もう一つこのバスの車内には「Driver depends on tips.」という表示もあり、こちらも「運転手はチップ頼りっす」みたいな正直なアピールがなんとも言えないのですが、こちらの文章は少なくとも「Driver」が主語になっているのでまぁ一般的な文章かと思います。Odd感では「Tips are greatly appreciated.」にはかないません。
もちろん友人の間のやり取りではチップという概念は皆無なので、チップに関してはあくまでもサービス業に対する慣例と割り切るしかなさそうです、またチップの必要のないお店でも大抵どこかに募金箱のようなものが置いてあってなんとなく1ドル程度入れるのが慣習になっていたりもします。それは入れても入れなくてもどちらでも構わないので各人に選択の自由がありそれはそれでいいのかなと思うのでした。