1999年、Roomin’の舞踏の初舞台は白塗りではなく黒塗りだったのですが、白塗りでも黒塗りでも最初はそんな舞台メイクのことは何にも知らず、周りの舞踏家の先達たちが白塗りを買いに行くお店を教えてくれて自分で調達しに行っていました。当時はAmazonなどの通販が普及していなかったのでお店に買いに行くのが当たり前だったのです。教えてもらったお店は舞台化粧品専門の「三善」の直販店で新宿のサブナードという歌舞伎町界隈の地下街にあり、デビューの黒塗りの時はフェイスケーキの「二グロ」という色名があってそちらを購入していました。(今のこの名称なのかどうかはわかりませんが…)平形の固形ファンデーションで白塗りと同じ水性なので水を含ませたスポンジ(ゴムでできた大きいもの、全身を塗るのでこれでないとぬれません)で使用します。Roomin’ はデビュー以来数年は黒塗りメインで活動していたので、これ一本でしばらくは大丈夫だったのですが、イベントの性質や空間の質感的に白塗りの方がいいかなと思う場合もあって白塗りにしてみようかな〜と思い新宿の三善に白塗りを買い足しに行きました。それまで舞踏をやっているくせに白塗りへの興味はなくてどういうものなのかよくわからないままにお店へ行き、いざ何を買ったらいいのかわからなくてお店の店長さんらしきお方(おねぇ風)に勇気を出して聞いてみました。「あの〜舞台で白塗りにしたいんですけどどれがいいですか?」と尋ねると店長さんに「舞台って日本舞踊か何か?」と聞かれたので「ええっと(汗)ちょっと逆な感じのもので…」としどろもどろしていると「もしかしてアングラっぽいやつ?」と聞かれたので、助かったとばかりに「そ、そうです…(汗)」となんとか受け答えし、店長さんに勧められるがままに固形の白粉を購入した思い出があります。その白粉は固形状のものを削り取って水で溶いて使うもので多少作業は必要ですがものすごくコスパは良かったようで使い切るまでに相当かかりました。(多分10年くらい?)
その後東京を離れ、Amazonでなんでも買えるようになったこの時代、使い切った白塗りを買い足すに当たり試しに楽天市場経由で三善の「練り白粉」を購入してみたのですが、そちらはあっという間に使い切ってしまい、ネット通販だとちと物足りないなという気持ちがありましたし、やっぱりお店で白塗りを調達したいな〜と思っておりました。周りに聞いていた情報では福岡では「天神コア」というファッションビルの地下にある「木馬館」に白塗りを買いに行くということでしたが天神コアは再開発により既に閉店し解体が進んでおりました。一体福岡の舞踏手たちはどこに白塗りを買いに行ったら良いのでしょうか?それともやはりネット通販で買うべきなのか?
先日のライブハウス「秘密」でのシークレット出演でそこそこ本気で白塗りをしたのでとうとう使い切ってしまい、やっぱり練り白粉はコスパ悪いな〜思いつつ白塗りを調達せねば…とぼんやり考えておりました。(直近の出演は黒塗りを予定していたので大丈夫なのですが…)いつものように天神からの帰り地下街から老舗デパートの岩田屋につながるきらめき通り地下通路を歩いておりますと岩田屋手前の『VIORO』というビルの入り口に既視感のある看板を発見…。
天神VIORO地下に「木馬館」発見
あの天神コアに入っていた「木馬館」がここに移転していたのです。「おお…」とりあえず偵察に。買い物をするときは慎重に検討をして買うRoomin’のことなので品ぞろえなどを確認します。三善のコーナーが一番端の方にあり、ネットで購入したものと同じ練り白粉や初代白塗りのコスパの良いものもありました。さすがに黒塗りのフェイスケーキは置いてありませんが…。三善の化粧品を取り扱っている店舗は九州ではかなり珍しいと思われ、熊本からわざわざ買いに来たお客さんがあーでもないこーでもないと店員さんと話しておりました。わりとややこしい使い道のお客さんにも丁寧に対応している店員さんを横目にみて「頼りになる木馬館」という印象を受けました。この「木馬館」は福岡に展開するドラッグストア大賀薬局の系列店なのですが、「化粧品専門店」として様々なブランドを取り扱うセレクトショップといった業態で独自の存在感を放っているようです。各種キャッシュレス決済に対応し、楽天ポイントもつくらしい…。ありがたい存在です。
→木馬館詳細はこちら(店舗HP)