福岡大名:天国と秘密/夏のはじまりはライブハウス「秘密」でシークレット舞い

BUTOH

コロナ禍2年目の夏のはじまり、福岡大名に新しくできた「天国と秘密」という場所でおどることになりました。何年か前、よしおのライブをgigiにみに行った時にそのイベントをオーガナイズしていたうらのすのヒロシさんという方が今度行うイベントに舞踏を入れたいイメージがあるということでよしお経由で出演のお話をいただいたのです。会場の大名にある「天国と秘密」という場所はOddRoomの近所で、何回もそのお店の前を通りかかってよく知ってましたが私の中では「新しくできたすごくCoolなBar」という印象でした。私が見ていた道路沿いのBarは正確には「天国」でどうやらその裏に「秘密」というライブ会場があるらしいということです。(だから両方で「天国」と「秘密」というらしい)
【画像】天国と秘密の外観(PC)
本番まであまり日程はなかったのですが下見を設定してくれて稽古の帰りによしおと会場をみに行きました。確かに通りに面した表側は今時の格好いいバーで(これが「天国」)夕刻の時間帯ではお洒落な空間が好きな若者たちが吸い寄せられるように飲みに入っていきます。(当時は緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置は発令されておりませんでした。)その脇に、言われないと気がつかないような建物の横の通路がありそこを入っていくとなんとも「秘密」なライブ会場が出現。入り口に鎮座まします巨大な顔だけピエロオブジェがいい感じで「秘密」へと誘います。アプローチは秘密めいていますが中に入るとそこは、かなり立派なライブ会場。赤や金や紫がひしめきサイケというかお洒落なキャバレーというか、かなり「秘密」的空間で会場の持つ雰囲気がかなり強いです。今時にしては珍しいな〜という印象ですが運営はライブを全国に何店舗も展開しているやり手の企業のようです。

そのイベントには数組のアーティストが参加し、会場に映像を投影するということで下見にはVAの方達もいらっしゃいました。全体の世界観を統括しているのがオーガナイザーであるヒロシさんで、(以前拝見したよしおのライブも良かったのですが)今回のイベントでもこの独自の会場の雰囲気を活かすべくどうやら私は呼ばれたようでした。いわば「見世物小屋」的な雰囲気への誘いとしての役割を「舞踏」に求めておられたというコンセプトを聞き、それはまさにRoomin’の好物なところでもあるので「よくぞお声がけいただいた」というか、オーガナイザーとしてのヒロシさんの感性すごい…!と思ってしまいました。同行したよしおも「これは紛れもなくRoomin’向き」だとしきりに同意。

…というわけで週末、本番の日が訪れました。「秘密」にはステージ直結の立派な楽屋もあったのですが一応白塗りだけは自宅で済ませていきました。(近所なので…。)楽屋は中庭に通じていてそこには本日の出演者の方々が飲んだり談笑できるスペースもあり、戸外ですがキャンプ椅子に腰掛けてみなさん集っておりました。Roomin’の出番はオープニングでしかもシークレット出演者なので本番前はひたすら集中するフリをして楽屋に待機。対バンのミュージシャンの方々がワサワサと出入りしますが皆そっとしておいてくれました。そしてオープニング。即興で音楽はヒロシさんのDJを背負ってぬめ〜と舞台の幕を割って登場し一組目のバンドの演奏が始まるまでの出演。なにせ写真が手元にないので自分ではどうだったかわかりませんが、お客様からの反応を聞いた限りではアングラな空気感は出せたのではないかなと感じております。ほぼ全員知らない人だったのですがおどりを通してしかおそらく出会うことがないであろう、普段の仕事とか、自分の名前とか、そういうことは「秘密」でいても全く問題ない「秘密」の夜はステージ奥の金の鎖のようにキラキラと更けていくのでありました。

楽屋も立派。
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