Wotazumi道/デレク・ベイリー&ミン・シャオフェン・即興アルバム「Viper」について寄稿しました

IMPROVISATION

この度刊行されたちゃぷちゃぷレコード刊のディスクガイドに、OddRoomingのMaster Wotazumiが80年代と90年代を代表する即興演奏のアルバムとして、Min Xiao-FenとギターのDerek Baileyとの「Viper」を紹介したディスク・ガイドを寄稿しています。Minさんとは2017年のニューヨークCreative Music Studioの合宿ワークショップに参加した時にお会いして以来お近づきになったのですが、Master WotazumiはMinさんに会う前からこのCDを所有してかなり気に入って聴いていたらしいです。

今回ちゃぷちゃぷレコードで刊行されたのは1985年から2000年のフリージャズ(と言われる分野のもの、私はインブロビゼーションはフリージャズとはちと違うと思っていますが)を紹介するディスクガイドのようです。こちらに掲載されたMaster Wotazumiの寄稿の一部を紹介させていただきます。


「ヴァイパー」 デレク・ベイリー&ミン・シャオフェン
Viper: Derek Bailey, Min Xiao-Fen

「ヴァイパー」はミン・シャオフェンの存在を、フリージャズシーンに一気に知らしめた、最も重要なアルバムである。また、デレク・ベイリーが弦楽器奏者と共演した中でも、後に再度、ミン・シャオフェンと共演したアルバム、「フライング・ドラゴンズ」と並び、これは最高峰にあるアルバムである。伝統音楽におけるピパ奏者として、最高の境位にあったミン・シャオフェンにとっても、デレク・ベイリーとの共演は、彼女の転換点であった。全編が即興で編まれており、デレク・ベイリーのデュオアルバムの、傑作の全てがそうであるように、このアルバムでも、両者の音、そのどちらが奏でた音であるか、ということは、ここでは問題にはならない。あらゆる二極性が太極として、相反し相剋する、究極の音がここにある。それを聴き取るのは、聴覚ではなくて生命の振動だ。ミン・シャオフェンは現在、頂点にある演奏家である。虚空に吹く風を知れば、天籟を響かせ、その振動を見極めることも容易い。これは即興演奏の精髄である。
by 川口賢哉(Master Wotazumiのペンネーム)

WotazumiはMinさんにサインをもらっていた!

滅多に音楽CDを聞くことのないRoomin’ですがこのCDを聴き確かに双方の即興の世界がかんじられ私もすっかり気に入ってしましました。(注:私は音楽に疎く人の音楽を褒めることは滅多にありません。)Roomin’も実は 2018年には自身のライブにMInさんをお呼びして共演させていただいたこともあるのですが、やはり私は身体なのでどうしてもインパクトがゆえ相手が尊重してくれがちというかやはりおどりの特異性による何か特別扱い的なものを感じないわけではないのですが、このアルバムの2氏による即興セッションを聴いているとジャンルをあまり考えないで済むような、まるで聴きながら踊っているような気分に浸れるのです。デレクベイリー氏にとってもこのセッションは特別な経験であったということですし、それも十分頷けると思わせるようなアルバムかと思います。

ちなみにMaster Wotazumiはこの誌上において、Steve Lacy & Roswell Rudd 四重奏団の「Monk’s Dream」についても紹介文を寄せております。「フリージャズ&フリーミュージック1981~2000:開かれた音楽のアンソロジー(ディスクガイド)」はちゃぷちゃぷレコード:TPAFより発売中です。


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Minさんとデレク・ベイリーの即興演奏の共作アルバム。まるで楽器であることを忘れさせるかのような素晴らしい時間と空間つまり「間」を感じる演奏です。
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先に出版された、フリージャズ&フリーミュージック1960〜80: 開かれた音楽のアンソロジー(ディスクガイド編)の続編。フリージャズを中心にフリーミュージック、環境音楽、インスタレーション、電子音楽などについても紹介しています。
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