LラインのJefferson Street駅近の謎の屋上空間でCammisaという女の子の超個性的なパイプオルガンと白石さんとのセッションを試みた後(→前回の様子) ほどなくしてなにやらパフォーマンスの機会を得たからというお声がかかり、今はもう覚えていない多分BlooklynのどこかのBasementにあるvenue(ヴェニュー:開催場所という意味でニューヨークでは「ハコ」というニュアンスでとてもよく使います。)へ。どうやらそこは一応「Ho_Se」という名前のハコらしいのですが、知る人でないと来られないようなレアスポットらしい感じ。とりあえずなんとかたどり着くと、結構な人出で賑わっていて飲んだり話したりすごくゆるい感じで心地いいアート空間的な空気を出していた。白石さんがどこからか湧いて出てきて「今日ここでやるんだよね」とのことでとりあえず会場はみんなが飲んでいた中庭から一歩入った地下にあったのでそちらを下見に。まぁ普通の地下空間という印象。でもそこはライブハウスとして営業しているわけじゃないのでフラットな感じ。なんだかコアな雰囲気に私は「大好物感」を隠しきれないでおりました。一応今日のイベントは何組か出演するようで対バンのアーティストとかも集い始めた様子。特に何かを打ち合わせたというわけでもなくCammisaがオルガン(木の箱を何個も使ったかなり大掛かりなもの)をセッティングし、我々のパフォーマンスははじまりました。
即興でしたが結構しっかり30分ほどのパフォーマンス。白石さんは暗闇にまぎれるのが好きな方で会場のいろんな場所から姿も見せずにキュルキュルと距離を測ります。みてくれている人たちも私が神出鬼没に出入りしてもちゃんとその間近でその「場」を真剣に共有してくれている感じがしました。短くはないその時間を打ち合わせなしでちゃんと終え、拍手を受けたときの清々しさ。やはり長くこういう活動をしているとそういった反応は感じるものです。
相変わらずまだほとんど英語は話せないので、会話を楽しむといった余裕はなかったのですが、全ての演目が終わって撤収しているときに、対バンでノイズのパフォーマンスをしていたものすごく強そうな女性アーティストが私に声をかけてくれて「今日のあなたたちのパフォーマンスはすごかった」というようなことをわざわざ言ってくれたのが印象的で、ニューヨークの感性にも馴染めそうな親近性を感じてしまうのでした。
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かつて灰野敬二氏と「不失者」を組んでいた白石さんのSaxは演奏という概念を超越しています。
白石さんがニューヨークの地下鉄で演奏した即興演奏を収録した伝説的CD
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