コロナ以前のGW/京都国際舞踏祭 in 令和元年「森の生活」上演・打ち上げはBOOKS ENDO

BUTOH

コロナ禍になってから2回目のGWが過ぎましたが、その前の2019年のGWはちょうど平成から令和に元号がかわるタイミングで10連休となりました。そのタイミングで第2回京都国際舞踏祭が盛大に行われ私も参加させていただいたので、GWは京都に滞在しておりました。そのイベントは4日間に渡り一日2ステージ、総勢40組以上の国内外のおどり手が出演するというまさに「国際舞踏祭」という名前にふさわしいものだったのですが、それだけに京都の雄・桂勘氏を中心に高砂舞踏共同組合などの主催者、スタッフの方々などかなりタフなイベントだったと思います。おかげさまで連日大盛況で大変盛り上がりました。

福岡の舞踏靑龍會のアトリエ公演に出演してくださっている京都界隈のおどり手の方々とは本当に何年かかけてお知り合いになり仲良くさせていただいておりますが、前年2018年に京都での公演にお呼びいただいた非風ケツ能袋坂流宗家・袋坂ヤスオ氏には今回も大変お世話になりました。舞踏祭初日のトリを務められた宗家の作品は最高でもはや「匠の技」とでもいいましょうか、神(?)の領域に入っていかれている状態でしたね、さすが宗家としか言いようがありませんでした。また、今回は原田伸雄氏をはじめとする舞踏靑龍會のメンバーも多数ソロで出演しておりそれぞれの皆の出演も充実したものになったのではないかと思います。特に原田さんの今回のおどりはいつものウェディングドレスのスタイルではなく男装(そもそも男性なのですが)されていて抑えられた生命の静かなともしびのような圧倒的な空気感を醸し出されていました。

さて、Roomin’はその直前のアトリエ公演で上演した「森の生活」というタイトルの作品を京都用にアレンジして上演致しました。「森の生活」を最初から京都でおどるつもりで、2月のアトリエ公演で試演したのですが、本来はMaster Witazumiによる演奏とのデュオだったのです。しかしながら京都国際舞踏祭の会場は音に関する規制が非常に厳しい劇場で、こちらでの楽器の生演奏はNGであると聞いておりましたので、京都では泣く泣く演奏なしの方向で構成を再考しました。よしおの曲をGarage Bandで編集して前半に使い、終盤の勝負曲「マンボ No.5」は同じものを使いましたが、曲は京都用に作り直しました。

Photo©︎Kazuo Yamashita

この作品のオチは本人が「キノコの胞子の放出」と呼んでいる「投げテープの放出」にあるのですが、このテープ投げ芸は今後も追求していきたいと考えていて、まだまだ道は半ばです。まぁでもこの「舞踏祭」はどちらかというとお祭り好きな観客が多かったのか、この時の「森の生活」は大層ウケたと記憶しております。今まで拍手を幾度もなくいただいて参りましたが、「ブラボー」という言葉が数々出てのapplauseはそうそうあるものではなく私の舞台経験上ベスト3に入る喝采ぶりだったのは間違いありません。

打ち上げは「立ち飲み本屋・BOOKS ENDO」が素晴らしい

舞踏祭は4日間あったので毎日何かしらの打ち上げには参加していたのですが、私がおどった日はその日の出演の方や地元の方々に会場の近くにある「立ち飲み本屋」BOOKS ENDOに連れて行ってもらいました。そもそも会場のある場所は京都の「九条」。駅の南側でいわゆる観光地とかではない落ち着いた界隈なのですが、この「BOOKS ENDO(遠藤書店)」の存在感には、さすが京都の奥深い文化度の高さを感じてしまいます。このようなスタイルの本屋はおそらく日本中どこを探してもないでしょう。「角打ち本屋」とでもいいましょうか、いわゆるオシャレ系の飲める本屋は割とあるかと思うのですが、このBOOKS ENDOは福岡で言う「角屋」のような立ち飲み的で、安い「アテ」が並び決しておしゃれに行こうとはしていないカオス。でも「知」を求めて集う人もいる本屋なのです。かといって敷居は高くなくフレンドリー。このスタイルで経営が成り立つのはやはり京都ならではなのかな〜と羨ましく思います。私は最高に好きですし、まさに「理想郷」という思いで、この充実したおどり後にふさわしい最高の打ち上げ会場に出会えた感が致しました。

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平成から令和に切り替わったのはちょうど舞踏祭の初日でした。
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