TEDxfukuoka/「TED福岡版」流体運動の実演プレゼンテーション

BUTOH

TEDというものを知っていますか?Roomin’は英語を習っていた際によく「TEDを観なさい」と勧められました。アメリカで行われているプレゼンテーション・カンファレンスのそれぞれの発表の様子が動画コンテンツとしてまとめられており、様々なアイディアやコンセプトを共有できるというものなのですが、おそらく内容が「今」的で興味深いものが多く、映像を共にプレゼンするので英語の理解には役立つということで、英語のおすすめ教材としてよく紹介されているのだと思います。
→TEDのサイト(英語)

舞踏靑龍會の原田伸雄氏がある日「TEDというところから登壇者としての参加の依頼を受けた。」とおっしゃるので、私は「ええ?アメリカのあのTED?」とかなり驚いたのですが、そのTEDというのは「TEDxFukuoka」というTEDのいわば福岡版のようなもので、運営者がTEDからライセンスを取得し、TEDの規定に沿う形で各地でイベントを開催しているというものでした。福岡版とはいえ登壇者はそれぞれの分野の第一線で活躍している方々ばかりで、こちらの運営の方はどこかで原田さんの活躍の噂を聞きつけ、依頼してきたのだと思われます。原田伸雄氏は長年福岡での身体研究・舞踏の活動をされてきたなかで、九州・福岡のアート界隈では一目置かれる存在ですので…。「TEDxFukuoka」で原田さんはご自身が編み出し舞踏靑龍會の稽古で行われている「流体運動」について発表することになり、メンバーが当日その「流体運動」の様子を実演することとなりました。基本この運動は稽古の準備段階で行われるものであり、観客にみせるという性質のものではないのですが、プレゼンテーションで実演するということもあり、立ち位置や流れの段取りの確認を行いいざ当日。

バラエティに富んだ登壇者のラインナップ

私の印象ではTEDというとスティーブ・ジョブスなどといったイノベーターがプレゼンテーションを行う印象が強いのですが、当日TEDxFukuokaでプレゼンテーションを行った方々はビジネスやクリエイティブだけでなく農業やアート、環境やけん玉に至るまで業界の枠を超えた各分野から集っており、その中には九州ならではの地域の特性に関係の深いものもそうでないものもあって、「世の中にはエネルギッシュな方がたくさんいらっしゃるな〜」と単純に感心してしまいました。しかしその中でも「舞踏」という決して広く世の中に知られていない分野から登壇され発表された原田さんのプレゼンテーションとメンバーによる実演は「実際に身体を使ってみせる」という他にない手法もあってひときわ異彩を放っていたのではないかと思います。

→TEDxFukuoka2015の様子(TEDxFukuokaウェブサイト)

個人的に印象深いプレゼンテーションは全盲写真家の方の撮影手法や作品などについてのもので、その時私は初めて「エコロケーション」という距離を音で測る手法について知りました。彼は耳で対象を「みる」ことができるということなのです。五感のどれかが閉ざされることでそれ以外の感覚が極限にまで研ぎ澄まされるということなのでしょうか。そこに至るまでには相当な修行が必要だったのかと思いますし、今もなお「研さん」を積んでいるとのこと。恐れ入りました。

さて、「TED」ということもあり、こちらのイベントのプレゼンテーションは動画化されて社会に共有されることが前提だったはずなのですが、(我々も動画に出演して拡散するための承諾書にサインしました。)残念ながらこの年のプレゼンテーション動画がまだアップされていないようです。せめてその動画だけでもいただけたらな〜と思うのですが…。

タイトルとURLをコピーしました