舞踏に夢中になったイギリス出身アーティストのマーク
ベップ・アート・マンスに呼んでくれて別府の老舗旅館「山田別荘」の庭園で踊って以来、鉄の彫刻家マークとの交流は続いておりました。(→別府の老舗温泉旅館の日本庭園での舞踏/ベップ・アート・マンス@山田別荘)…といいますかマークは、山田別荘で初めてみた「舞踏」に衝撃を受け相当気に入ってくれていたようで、舞踏にインスピレーションを受けた作品をすごい勢いで製作しては私にも画像を送ってくれたりしていました。ちなみにマークは別府在住歴15年ほどと聞いているのですが普段日本語では話しません。ゴリゴリのブリティッシュイングリッシュと俳優のような重低音の渋い声で英語を貫き通すのです。グレートブリテンの誇りのようなものなのでしょうか…。おかげさまで、マークとのやりとりは私にとっては英語の勉強のためには大変ありがたいものとなりました。(実際マークは奥さんのゆうこさんと自宅で英語教室を開いており、英語の先生もしているのです。)
別府の街中の庭のTeePeeでおどれるとは??
そんな折、マークから「別府に面白い場所を見つけたのでそちらでパフォーマンスをしないか」という連絡をもらいました。「街のTeePeeのある素敵な庭で絶対気にいると思う」というポエティックなメールに最初は「???」状態でしたが、どうやら別府の街中のいい立地にあるカフェの庭でイベントをやらせてもらえそうということのようでした。しかし、例によって英語しか使わない誇り高きブリティッシュのマークはイベントについて場所のオーナーとの細かいやりとりができないから私にそのやりとりを任せたいということでした。まぁ、イベントのオーガナイズはおどりの醍醐味でもあるので早速先方に連絡をとってみました。
こちらのオーナーさんの本業はコーヒー屋さん(コーヒーを淹れるプロ)らしく、あまりネットなどには露出しないように営業しているようでした。で、イベントには庭を自由に使ってよいが、フードイベントをコラボさせてドリンクかフードオーダー制にしてくれればチャージや使用料はいらないということを提案してくれました。フードはカジュアルなフレンチがその晩限定で出店してくれることになり、パフォーマンスはチャージフリーでお得意の「投げ銭歓迎」でいくことに。結果をマークに英語で伝える際も、お金が関わることでもあるので出来るだけ文法に気をつけながらきちんと伝わるように慎重に伝える必要があり、このやりとりを重ねている間はかなり英語のことを考えていました。マークは「Light」というシリーズであかりの作品を数多く製作していたので、彼からの「灯りが映えるように当日の開始時刻を夕方から夜にかけてにして欲しい」という申し出も理解することができました。正直日曜日の開催で次の日は普通に出勤だったのでかなりきつかったのですが、月曜日の早朝のバスで福岡に帰れないこともないなと思い承諾することにしました。
別府入りし、会場へいくと本当に別府の街中のすぐ裏手の路地を入ったところに民家のようなカフェと庭とTeePeeがありました。TeePeeとはインディアンが住居として使用するテントのことなのですが、結構大型のものです。せっかくなのでこのTeePeeをおどりに使おうかなと思っているうちに、天気が悪くなってきてあいにくの空模様となってしまいましたが、とりあえず決行です。
マークが作品を路地のアプローチから庭にかけて展示し灯りを灯すと夕刻には幻想的な雰囲気となりました。でもこんな裏通りのイベントでいったいどれくらいのお客さんが来てくれるのか全く未知数のままTeePeeの中で息を潜めてスタンバイ。地元コネクションがめっぽう強いマークの奥さんのゆうこさんがお友達を何名か連れてきてくださって早速フードを注文してくれているようでしたが、その後もポツポツとこちらのカフェのお客さんや地元の方々が来店しているようでした。
特にアナウンスするでもなくソロ〜とTeePeeより這い出ると雨が結構降っていて庭はいい感じに湿っておりましたが用意した農業用不織布に包まれつつ庭へ。やがて中で食事をしていた方達が気が付いてゾロゾロとみに出てきてくれました。とはいえ傘を刺さないと厳しいくらいの雨でしたので、その中でもきちんとみてくれるいいお客さんに恵まれたなと思います。別府って昔から金粉ショーなどを行うキャバレーがあったりと意外と舞踏が好きな方が多いのかもしれません。あと、APU(アジア立命館大学)があるせいか外国人の学生さんもちらほらきてくれました。
いつの間にか英語を話している自分に驚く…
終演後みなさんが帰ったあと少し残ってマークと2人でカフェで話をしていました。結構いろいろな話をしたのですが、その時にカフェの方から「このことをマークに伝えて」と言われて私は「英語」で話していたことにハタと気がついたのです。そう、他の人からみてその時マークと会話をしていた私は、英語がペラペラであるかのように見えていたということです。やはり、このイベントを企画したことでマークとのやりとりも多くなり、ちょっと英語力が上がったのかもしれません。こういう舞踏とか自分の活動のことでリアルなやりとりをしたことが身についた要因なのかもしれないなと思うのでした。
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