ニューヨークではフリー(つまりタダの)イベントが数多く開催されていて大変お世話になりました。その中でも印象深いイベントの一つに、港湾沿いの公園で行われる「サルサ」の無料レッスンと無料ライブがありました。私はSunday Michiruの影響もあって、若い時にはラテンダンスにはかなり入れ込んでおりまして、サルサもそれなりにレッスンを受けられるイベントに出かけたりして多少かじっておりました。しかし、当時銀座あたりのサルサバーへ行きますと、いかにも踊れます風な人が集っていてあまり好きな雰囲気ではなかったので早めに離脱しておりました。サルサはペアダンスなのでパートナーありきなのですが、踊れる男の人がリードして行かないと成立しないので、そこまでの投資は必要なのかな〜と言う雰囲気が苦手でした。
時は流れ、サルサのことはほとんど考えることもなくなっていた私ですが、ニューヨークにいるとサルサのメッカであるカリブ海界隈が近いせいか街中でもよく音楽は聴きますし、プエルトリコの市民が多いのでサルサの爆音が街を羅漢することもあるし、自分が今ままでちと苦手だった日本の「サルサ社交界」とも違う雰囲気なのかなと感じていました。ラテンダンスは全般が好きなので踊る場所があれば行けたらな〜と思っておりますと……、ニューヨークのフリーイベントを紹介するサイトで見つけたのです。42nd street バスの終点にあるPier 84 at Hudson River Parkで開催されるサルサライブ・しかもレッスン付き、そしてチャージはフリー!これはもう行くしかありません。
引退したスペースシャトルが展示されることで有名なイントレピッドが対岸に見えるハドソン川沿いにある港公園「Pier 84」がイベントの会場です。(Pierとは港という意味があります)会場へ行くと、無料のイベントなのですが、そのエリア内への入場はきちんと仕切られていました。というのも、ニューヨークでは野外の公共スペースで飲酒することが禁じられており、(下手したら逮捕されてしまうこともある)会場内ではお酒の販売なども当然あるので、そのためかと思われます。まぁ、ラテンダンスでお酒抜きなどはあり得ないので納得です。
と言う訳で、会場内で売られているビールを早速ゲットし、飲みつつハドソン川のにしずむ夕刻を眺めているうちに会場内の特設ステージではサルサダンスのレクチャーがはじまっていました。英語であることを除けばそのレクチャーはものすごくわかりやすくて、老若男女・みんなに向けたものでした。日本でいうと「盆踊り」のような感覚といいますか、全ての世代にフレンドリーなダンスなのだと思いました。その証拠にその会場内では子供も老夫婦もリズムに乗ってゆらゆらと楽しそうに踊っているではありませんか。まさにここではサルサは「踊れる人」のための踊りではなく「みんな」のための踊りなのです。OddRooming一行も臆することなく楽しく踊って、こんな会がいつもあればいいな〜と心から思いました。
余談ですが、その時のサルサレッスンで、講師のナイスガイが決まり文句として「So far, so good」といっていました。これは「ここまではこれでOK」という意味で私はその意味を知らなかったのですが、なんとなく雰囲気でそういうことだとすごくよくわかって、なんだかすごくこの言い回しが好きになってしまいました。あまり、学校や参考書では習わない言い回しかもしれませんが知っていると便利で使える言葉なのではないかと思います。
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ニューヨークはプエルトリコ(米国自治領)からの移民が多くニューヨークのサルサは独自に進化していると聞きます。一方でキューバ音楽といえばやはりこのドキュメンタリーを思い出す…。
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