世の中には素晴らしい写真家がたくさんいると思いますが、OddRoomingがもっとも好きな写真家と断言できる唯一無二の存在がフランス出身の写真家:アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)です。ニューヨークのど真ん中42nd StreetのブライアントパークのそばにあったICP(International Center of Photography)にはロバート・キャパなどをはじめとするマグナム・フォトの写真が数多く収蔵されていて、ブレッソンの写真もポスターや写真集などがショップにも置いてあったのでICPの中でも特に人気の写真家と言えると思います。Photo journalistとしての一面もあるMaster Wotazumiはブレッソンに「どハマり」し、ブレッソンの最高傑作と言われる写真集「The Decisive Moment」をはじめ、複数の写真集を所持していました。ブレッソンはもともとシュルレアリストのマン・レイに影響を受けて写真を始めたようなのですが、ブレッソンの写真はライカによるスナップショットを基本とし、市井の日常の一見名のない対象を切りとった絵でありつつも、その中にあぶり出された非日常性や造形の美しさや異形には、ただそこに見えている風景を超えた世界の奥行きを感じてしまいます。
数あるブレッソンの素晴らしい写真の中でもOddRoomingがもっとも好きであると断言できる一枚は、インドの難民キャンプを切り取った「Games in a refugee camp, Kurukshetra, Punjab, India」(邦題「クルクシェトラの難民キャンプ」)という写真です。ブレッソンはマグナム・フォトの一員として世界の情勢を伝える撮影に従事しながらもその目線はたとえ戦地であろうとも、そのなかに生きる人たちの喜びや躍動にもフォーカスされていて、ただそこに全力で喜んでいる人々の様子はまさに「舞踏」としかいいようがなくRoomin’は最終的に自分の理想とするおどりのひとつの姿をこの風景にみていると言っても過言ではありません。
ちなみにニューヨークのICP(International Center of Photography)は現在はマンハッタンのロウアーに移転をしていますが、カフェやショップなども併設されていて大規模とはいえませんがおしゃれで心地よい美術館です。以前ニューヨークを訪れた際にはたまたま、企画展でブレッソンの回顧展を行なっていてもちろん観にいきました。日本を含めた世界各地で撮影された写真が一堂に集い、資料なども興味深い展覧会を満喫いたしました。
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