ニューヨーク/Grace Exhibition Spaceで虫丸さん一行のパフォーマンスに遭遇

BUTOH

ニューヨークのIBEAMでGianとのライブを行い(→その時のニューヨークでのライブ)そのすぐあと、白石民夫さんから「割とよく行くvenueがあってそちらの出演者に日本人っぽい名前があるのですが…」という情報を教えてもらいました。ちなみに「venue」という言葉はニューヨークでとてもよく使っていた言葉なのですが、直訳すると「開催地」つまり、ライブの会場やハコ的な意味合いで便利に使っています。私の中ではもはや翻訳するなら「場」といったところです。白石さんも行くかもというのでそのイベントへ出かけてみることにしました。そのvenueはGrace Exhibitionといい、ブルックリンのブロードウエイの確かMyrtle Avenue–Broadway Stationのあたりだったような気がします。この界隈は結構いろんなvenueのある濃密エリアで、場所は割とすぐみつかりました。その日はひとりで行ったので恐る恐る中へ入ってみると別に恐れる必要もないくらい人がわらわらと出入りしていて、アヴァンギャルドにしてカジュアルなvenueのようです。とりあえず特に入り口でチャージを払うこともなく、バーカウンターでは値段のついていないドリンクが用意されていて、皆1ドル程度のチップで飲んでいるようでした。これはほとんどフリーチャージ・フリードリンクという夢の世界です。だからこんなに人がたくさん集まっているのだとガッテンしました。

ギリギリの禁域までを挑戦するアーティストの挑発を心から楽しめるニューヨークでも貴重なvenue

人がかなり多くいて飲んだり話したりしていてそのわらわら感の中からどこからともなく白塗りのやたらと体のしまったおどり手が現れ、最初は私のあまり好きな感じでないタイプの暗黒舞踏っぽいおどりか?と思いましたが、もっと自然体な感じがみてとれました。どうやらこの方達はPhysical Poetsというユニットで、かの肉体天然詩でおなじみの藤枝虫丸さんとそのお弟子さん(の中でもトップクラスの伊織さんと姫子さん)だったのです。今でこそ舞踏靑龍會にも毎年のようにきて踊ってくださる虫丸さんですが、お会いしたのはその時が初めてでした。私当時はそれまで東京でしか活動したことがなかったので虫さんのことをよく知らなかったのですが、今では日本全国の至る所で虫さんの出没情報はうかがっております。それくらい津々浦々と活動せしめる素晴らしき生命力溢れる方です。最近では虫丸さんのソロを拝見する機会が多く、この日はPrysical Poetsのニューヨーク公演というとても貴重な機会に立ち会えたのではないかと思います。

そうこうしているとどこからか白石民夫さんが出てきて、今日のパフォーマーにも最近一緒にやるアーティストなんかがいるらしくあっちこっちと声を交わしていました。その日のライブは4つくらいパフォーマンスがあって、深夜へいくにつれてどんどん危険度が上がっていく印象でしたがどれも極限に申し立てるような気持ち良いパフォーマンスでした。

ペンキを床にぶちまけても争うことなかれ。やりたいことをやるのだということを示すことのできる貴重なvenue

虫丸さんのところの伊織さんや姫子さんはニューヨーク市内でもう少し時間が取れるということだったので翌日はMetなどをご案内いたしました。その時はまたなん年後かに福岡や京都などで関わり合いがあるとは考えてはいなかったのですが…。(Nov. 2013)

Physical Poetsのニューヨーク公演の貴重なDMです

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