初めてニューヨークへ行った時は、その年のGWがうまいこと5連休くらいあってそこに有給を控えめに1日くらいとって現地5泊の旅程だったと思います。それでも当時仕事はものすごく忙しくて、そういう旅行に行けたこと自体奇跡に近いと思いますが航空運賃はものすごく高かった…。その現地5日の中にニューヨークと旧友ぶりが住んでいたボストンへ行くという強行スケジュールでしたが、ホスト役のMaster Wotazumiはさらにそこに「野球」をぶっこんできました。どうやらボストンにあるフェンウェイパークという球場は野球好きのみならず訪れることが楽しいスポットであるということで、ボストンへ行くということはフェンウェイパークへ行くということらしいということでした。当時ボストン誇るべき地元球団のボストンRED SOXにはあの松坂大輔が在籍しており、しかもMaster WotazumiによるとRoominがボストンへ行く日程の試合にはシアトル・マリナーズつまりイチローが来るとのことでした。
ということで歴史ある球場フェンウェイパークにやってきました。門から入るとアーケードにはグッズを売るショップや大道芸のショーなどあってまるでローテクな遊園地のような昭和感すら感じるロードを進み球場へ。とりあえずビールを売っていそうなところを探し、球場名物のヘルメット容器入りアイスなどベタな品々を確認。ホームのRED SOXは赤をカラーとしているだけあってなんとなく広島カープに雰囲気が似ているのかな〜と思いました。(ズムスタの球場の作りとか雰囲気が似ている気がします。)そしてプレイボール。イチローはアウェイチームのマリナーズの選手として出場しておりましたが、もう当時すでにレジェンドの域に達しておりました。そしてイチローが出塁しその塁上の姿を見てヲののきました。イチローは次の塁を狙うべく準備しているのですが、その脱力した身体は、それまで野球を知らない私にも衝撃的なものでした。「全力でそこにいる。でもその全力は周りには見えていない。力はいつでも出せる。デモ空のごとく力はこめないで柔らかくじゅんびする。」その一瞬のベース上の立ち位置全てにおいてイチローの存在はほとばしっており、かつてみたどの表現者よりも素晴らしい身体性を感じたのです。まさに天才としか言いようがないとその姿を見ただけで感じずに入られませんでした。それがボストンで初めてイチローを観た時の衝撃でした。
それからイチローはなんとニューヨークヤンキースへ移籍をすることとなり、当時は元カープの黒田がいたりして、その時ニューヨークにいたOddRoomingとしてはうれしいシーズンとなりました。ヤンキースタジアムでも何度かイチローのプレイを拝見しましたが、この球場はでかく距離があるためフェンウェイパークほどではないですが、「ただいるだけで何かを引き締める」それでいて脱力した身体の存在は単なる一アスリートのそれを超えた「天才」のものであるとしか言いようがないように思えたのでした。