稽古ノヲト/「天の河」と「嵐ヶ丘」の間に何があるのか:カラオケで歌うことも身体につながる

BUTOH

先日よしおから送ってもらった「繕いの天の河」という楽曲を使って稽古に向かおうと思っていたのですが(→よしおは身近にいる才能)最近踊りたいなと思って気になっている楽曲が2つあってどっちかを使おうと思っておりました。ひとつはユーリズミックスの「There Must Be An Angel」という曲で聞いたことのある方も多いはず、昨年の年末の忘年会のカラオケでこの曲を歌い上げたところ奇跡的にすごくうまくいって拍手喝采をいただいたのですが、歌うことを通して体に馴染んだ感はあります。もう一つの曲はケイトブッシュの嵐ヶ丘の曲「Wuthering Heights」で、これは踊るのは初めてではない曲なのですが、こちらもたまにカラオケで歌う曲であります。なんとなくの発想だったので改めてそれぞれの曲を聴いてみると、ユーリズミックスはちと違うかなと、で、ケイトブッシュを改めて聞くとおお〜かなりよしおの曲の世界観を引き継ぐにふさわしい感じです。ということで、前半によしおの「天の河」の曲をGragebandで自分で加工してため息やらスキャットやらなんかのアンノイなミルキーウェイをこさえ、最後はバシッと「嵐ヶ丘」の狂気の世界でしめていただくにしました。

ケイトブッシュの嵐ヶ丘「Wuthering Height」で踊ったことがあるというのは、東京で舞踏家杉田丈作氏とubu ubuなるユニットを形成していた折に、「シアター・バビロンの流れのほとりにて」という劇場で「踏みはずし」という企画の中で上演された作品がまさに嵐ヶ丘をテーマとしたものだったのでした。その作品は演出は杉田氏が行い彼がその音楽を選んだのですが、タイトルが「ubu ubu Dance Cabaret ウブウブ舞踏椅子 Wuthering Heights」と嵐ヶ丘の世界観を椅子を利用して暗喩的に演じるというもので、なかなか好評だったと記憶しております。ケイトブッシュの曲はその時にある程度体には入っている感じはしますが、今回自分で踊ろうと思ったのは、よしおの天の河から嵐ヶ丘へといたる一見壮大ともいえるパラレルワールドを見てみたいと思ったからなのかもしれません。あと、カラオケで歌って自分の体の中に入り込む曲は踊ってみたい気持ちになったりします。実際にクイーンの「ボヘミアンラプソティ」もそうですし、そう考えると意外な感じがしますが、実は「歌う」という行為も体の中に取り込むという点においてはおどりと違ったアプローチで身体に何かをもたらしているのかもしれません。

この日の稽古で天の河から嵐ヶ丘への疑似体験をした私は次回の新作は『「天の河」から至る「嵐ヶ丘」』にしようと確信したのでした。

「ubu ubu Dance Cabaret Wuthering Heights」チラシ。(2007年2月)まだ花屋で働いていた頃のこと、このチラシも私が作りました。

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