舞踏の音楽について/身近にある才能編:音楽を使わせてもらうのはおどりすとの特権

BUTOH

つくづく舞踏という一銭の得にもならないことをよく続けているよな〜とカタギで生きてこれれた方からはおおよそ理解不明な活動を長年続けているわけですが、それは舞踏に限らず表現活動に打ち込むアーティスト・ミュージシャンたちは皆同じような気持ちで行なっているのではないかと思います。彼らは自らに誠実であり正直であり時に不器用で、売れることは考えていないことではないが売れることよりも自分の中で違和感のない活動を続けています。東京で活動していた頃から 私の周りには常にそういった仲間がいてその中でも舞踏は表現活動界の中でかなりリスペクトされていた感覚がありました。私自身がジャンルを超えた表現の競演を好んで行っていたこともあり、音楽や美術などをご提供いただく機会も結構ありましたが、そのCDは今でも稽古や小作品などに使うほど、才能に溢れたオリジナルの楽曲であったりするわけです。

ここのところは以前アルバムのCDジャケットをデザインしたよしおがまさにそういう存在です。(→よしおCDジャケットデザインしました)彼女が夜な夜な送ってくれたデモの何曲かの中から、特に女性のおどりには合いそうな気になる曲があって、ちょうどその時京都国際舞踏フェスのための音楽を構想していたので「この曲使ってもいい?」と聞いたら快諾どころか感謝されてしまいました。私としてはこんなに身近にある才能をより多くの人に聞かせたいというもくろみも同時にありまして、よしおには「舞踏公演を観に来た人が『この曲いい曲だね、なんていうの?』と聞いて『これはね、よしおっていうミュージシャンだよ、いいでしょ?』と答えたい」と話すと神扱い(汗)してくれました。アーティストらしからぬ謙虚さです。このときは「繕いの天の河」という3分程の楽曲をよしおの許可のもと5〜6分に加工し、冒頭のシーンに使わせていただきました。この時の作品では前半のよしおの抑えたシーンから最後はマンボNo.5で爆発するという展開だったのですが結構盛り上がりました。特に京都で活動されていてSocial Kitchenというスペースをオーガナイズされているマツキヨさん(マツモトキヨカズさん)からは「あの曲いいね、俺にちょうだい」という最大限の賛辞を頂戴しました!よしおもさぞ喜ぶことかと思います。この「繕いの天の河」はまだCDにはリリースされていませんがよしおの次回のアルバム(未定)には入れてくれるんじゃないかと密かに天の河にお願いしておきます。

コロナ禍の影響で現在は活動控えめですが、ライブパフォーマンスも素晴らしいよしお/Jan. 19, 2020@gigi

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