ニューヨーク/白石民夫「地下鉄」LIVE再開:光と闇を往来するアノニマス

IMPROVISATION

タイトル画像 ©️Kjreilly 動画より
コロナ禍以来、ほぼライブ活動は停止状態が長く続いていたニューヨークですが、ワクチンの普及などからかチラホラとライブ活動が再開しているという話を聞くようになり、先日たまたまSNSで白石民夫氏が定期的に行なっていた地下鉄でのライブを再開するという案内を目にしました。

→初めて白石民夫氏と会い共演することになった時のこと「ニューヨーク/地下鉄の演奏でおなじみの白石民夫と下水処理場で野外パフォーマンス」 
Roomin’がニューヨークで一緒にパフォーマンスをするにおいて最も信頼を置いているであろう白石民夫氏と初めて会ったのは彼の地下鉄での「コンサート」を聴きに行った時のことでした。ニューヨークの地下鉄は24時間営業であり夜中もホームなどへは出入り可能で、白石民夫氏の「地下鉄」ライブはまさにそのプラットフォームで行われておりました。開始時間は午前1:00から、25時つまり真夜中すぎの1時です。おそらく地下鉄の運行に支障のない時間を選ばれていたのかと思います。いくらニューヨークとはいえこの時間には通行人はほとんどおらず、それでもこの演奏を聴きにきた熱心な少数の観客が集います。主に「会場」としていたSpring Street St.(Eトレイン)のプラットフォームは快速が併走する線路が横に設置されているため通常の地下鉄の構内よりもかなり広い設計となっていて、そのことにより音の反響がいいとのことで、それでこの場所を選んでいると当時おっしゃっていた気がします。

「地下鉄」の演奏。基本的には白石さんのソロだが共演もアリ 2015/5/30 video by Kjreilly

この度2021年9月下旬、白石民夫氏が再開した「地下鉄」のコンサートは、Spring Street St.から場所を変えて67Ave. stで行われているようなのですが、ここはクイーンズのForest Hillsの近くになります。どうやらプラットフォームではなくmezzanine(中二階)とありましたので地下鉄の駅の構内の一部で演奏されたようです。写真を見る限りではかなり広い構内の一部でしたのでおそらくその様子から見るからに音の反響が良さそうな気がするので、そちらを選ばれたのではないかと思っています。常に必要以上のことはなさらない白石民夫氏は常に大袈裟なアピールはせずに闇と光の間をウロウロと彷徨うアノニマスぶりを体現し、特に他の演者とのライブではあえて闇を選んで佇み吹いていたりするのですが、やはりこの「地下鉄」は白石民夫氏にとっては自身の活動として継続して行なっているものであり、自らを中心として堂々と主役を演じる気概のようなものがあるのかなと勝手に妄想しております。

©️Kjreilly 動画より

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かつて灰野敬二氏と「不失者」を組んでいた白石さんのSaxは演奏という概念を超越しています。
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