ニューヨーク/草間彌生の無料展覧会・極寒の中の行列3時間待ちで観たものは…?

NEW YORK

ニューヨークの冬は想像以上に寒いものです。サンクスギビングからクリスマスにかけてささ〜〜〜っと寒くなる一方で、もちろん雪も降ります。前回Gianとマネキンでおどった時は真冬の入り口だったのですが、(→ニューヨークで動画リリース)フリーで楽しめるイベントが多いニューヨークらしいアートイベントが行われているということで観に行きました。はい、大人気草間彌生のギャラリーエキシビジョンです。観に行った日はもう真冬に差し掛かっていて雪が本格的に降ろうとしていました。チェルシーの外れにあるギャラリーへたどり着くともう会場の外には長い行列ができていて、ヲウ?と出鼻をくじかれた気分になりそうでしたが、とりあえずウロウロと偵察。どうやら、このギャラリーはかなり広い会場を使って今回の展覧会を行なっているようで、行列ができていたのは今回の目玉の展示である「ミラールーム」へ入る権利を得るためらしく、それ以外の平面作品やビデオ作品は特に制限なく自由に出入りして観ることができるようです。ということでまずは様子見で入れそうなところへ。その部分だけでも結構見応えがあり平面作品の他にも、草間彌生の代名詞とも言えるツブツブを施したオブジェの世界のインスタレーション作品や草間彌生の作詞作曲の「マンハッタン自殺未遂の歌」という独唱をしているビデオ作品など、これだけでも結構楽しめて、別に行列しなくても十分満足するくらいではあったのですが、やはりせっかくここまできたのでその「メーンイベント」を体験すべく行列の末尾に並ぶことにしました。

「マンハッタン自殺未遂の歌」をひたすら歌い続けるビデオ作品

その行列は並んでいる人がズルをしないように警備のスタッフがつくという厳重な警戒のもと、会場の中には当然入りきれず、降りしきる雪の中モロに戸外に続いておりました。最初の40分くらいまではまぁなんとなく元気だったのですが、私結構寒さは苦手でして、次第に意識が朦朧としてきました。ようやくロビー的な部分に入れたのは2時間以上経過してのこと。さらにそこから廊下的な部分へと行列は続き、しかもそんなに暖かいというわけではなく、こんなに並ぶほどに人々が求めるものなのだから、きっと素晴らしい作品なのだろうと期待は否が応でも高まります。

そして、とうとうその特別な展示の部屋に入る手前の部屋まできました。一人か二人づつ中に入れていて一人当たり1分くらいかなといったところ。この段階においてもまだ10人以上は前にいて、そこからまた長いこと待ちました。そしてようやくRoominの番がやってきました。さてどんなすごいことが体験できるのでしょうか…?

確かに上も下も横もミラーに覆われた世界…。でも果たしてこれが雪の中3時間かけて観たかったかと言われればどうかなという微妙なところではあります。実際この展示は写真があるから覚えていたものの、行列や寒さの記憶がメインでほとんど覚えていませんでした。しかしながら、行列しないでも観ることができた「マンハッタン自殺未遂の歌」のメロディだけは鮮烈に頭の中にのこっていて今もたまに鼻歌で歌ったりしています。とにかくニューヨークで最も人気のあるアーティストが草間彌生であるということだけはこの身をもって知ることができたのでした。

その冬初めて歩道が積もるくらいに雪が降りました

タイトルとURLをコピーしました